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即時取得の不思議

即時取得民法の中では出題頻度の高いテーマだと思うのですけど、それなのに理解しにくい部分がありますよね。自分だけかな?(^^;

 

▼即時“取得”というくらいだから、即時取得は動産を取得した時の話です。で、その取得について、それがどういう風に行われたか、つまり占有がどのように移転したかによって、①現実の引渡し、②簡易の引渡し、③指図による占有移転、④占有改定、という4タイプが規定されています。このうち①②③は即時取得が成立する可能性がありますけど、④は認められないのです。その理由は、占有改定では占有の状態に変化がなく、第三者から見て物権の移転があったかどうかが分からないから取引の安全を害する、ということだそうです。売主さんと買主さんが売買の合意をしたとしてもそれは当事者同士にしか分からない話で、売買の対象物である動産は今までと変わりなく売主さんの手元にあるわけだから、第三者から見たらその動産は売主さんのものなんだなと思ってしまうってことですね。

でもよく考えてみたら、④の“占有の状態に変化がない”という点は②③も同じじゃないですか? このうち②は動産が実際に買主さんの手元にあるから、それまでの権利の変動がどうだったかはともかく、現実に占有する人と所有権のある人が一致しており、特に問題はないのかなという気がします。しかし③は、売主さんと買主さん以外に占有代理人という人が登場し、実際に動産を持っているのはこの占有代理人です。要は動産を預かったり借りたりしている人ですね。で、売主さんが占有代理人に「今後は買主さんのためにその動産を占有してね」と指図し、買主さんが承諾すれば、その動産の占有は買主さんに移転する…のですが、動産はずっと占有代理人の手元にあります。これを第三者の立場で考えてみると、③だろうが④だろうが同じ人がずっと動産を占有し続けているように見えるのです。③は元々の所有者が占有しているわけではない、④は元々の所有者が占有をしている、という違いはありますけど、そんなの第三者が見たって分かりませんよね。④が取引の安全を害するというなら③も同じくらい害すると思うのですが…。

 

▼登録済みの自動車は即時取得の対象になりませんが、未登録の自動車は即時取得することができます。登録済みというのは要するにナンバープレートが付いてるってことですよね。それなら確かに、ナンバー付きの自動車を善意無過失で取得するなんて状況は多分あり得ないから、即時取得できないのは分かります。ところで、ナンバーの付いてない車を車検場に持っていって検査して合格の判定を受けて、そこから車検証とナンバープレートが発行されて実際に車に取り付けられるまでの間に、ちょっとだけですがタイムラグがあるのです。つまり、登録されてナンバーが発行されているにも関わらず、それが取り付けられていない状態の車が存在するわけですね。そういう車は即時取得できるでしょうか?

 

要件を覚えてしまいさえすれば、即時取得の問題ってそんなに難しくはないと思っているのですけど、ふと立ち止まって考え始めると止まらなくなるところがありますよね。思考の沼にハマりそうというか。もちろん試験対策としてはそんなことをしているヒマはないので、適当に切り上げなければいけません。でもそれはちょっと寂しい気も…合格してから好きなだけやれって話なんですけどね^^;