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またまた特殊?な登記

以前、工場抵当と工場財団抵当についての専門書を紹介しましたが、世の中に存在する財団というのは工場財団ばかりではないのです。工場財団の本と同じ著者が、それら各種財団の登記に関する本を出版していて、それも買ってしまいました。

 

本のタイトル通り、鉱業財団、漁業財団、港湾運送事業財団、観光施設財団、道路交通事業財団の登記について、詳しい解説が行われます。それぞれに根拠となる法令があるわけですが、その多くが工場抵当法を準用しているとのこと。つまり、財団についての設定とか、移転とか、財団の分割とか合併とか、抹消とかいうような各種登記は、工場財団と同じような手続きで行われるわけです。なので、これらの登記が司法書士試験にバンバン出題される状況だったら工場財団との違いを覚えよう!みたいな話になったかもしれませんね(笑)

 

もちろんこの本も今じっくり読むわけにはいきませんから「はじめに」というところと目次だけをサラッと見ただけなんですけど、それでも上記の財団の他にも鉄道財団、軌道財団、運河財団、自動車交通事業財団というものが出てきます。最初に挙げた財団のうちの鉱業財団から観光施設財団までと工場財団は「不動産財団」というものに分類され、私的な事業のために設定するので財団に属するものを設定する人が選択できたりします。一方、鉄道財団から運河財団までは「物財団」と呼ばれ、公益的な性格が強い事業ということもあり、設定されると法律で決まっている範囲のものが当然に財団に帰属します。道路交通事業財団は不動産財団と物財団の中間的な性質で、そのまま「中間財団」と呼ばれています。そして自動車交通事業財団は昭和6年に制定され戦後すぐ廃止されてしまった自動車交通事業法の名残なのだそうです。う〜む。

 

それにしても、こんなにいろいろな財団があるのに、しかも社会人として20年以上働いてきたのに、こういう制度があったなんて全然知らなかったなぁ…と思ってしまいますよね。たとえば運河財団は水路その他の運河用地、工場、上屋、事務所、運河に要する船舶、運河の維持修繕に要する材料や器具機械類、その他の機械や設備や権利などで構成されます。根拠法令は運河法で、制度の歴史は何と大正2年にまで遡ります。その後の日本の工業化への成り行きや、そこで運河が果たした役割を考えれば、そりゃ運河はとても重要だよな〜と思いながら読んでいたら、衝撃の一言が。「運河財団は、これまでに一つも成立していないようである」。マジか…^^;

 

ま、まあ、このように多少お茶目なところのある各種財団は、とても興味をそそられますよねぇ。やっぱり相当に特殊な登記であることは間違いなさそうですが、もし司法書士になったら一度は関わってみたいものです。