目指せ!47歳からの司法書士受験!

法律初学者のおっちゃんが合格するまでやりますよー

一般病棟(大部屋)での出来事

大部屋に移ってからは、大まかに言って毎日同じことの繰り返しなので、特に印象に残ったことをいくつか挙げておくことにします。

 

▼大部屋に入った次の日のこと。前に書いた通り、トイレに行きたいときは必ずナースコールで看護師を呼ぶように、と言われていました。しかし、ナースコールでトイレに行きたいです!と申告して来てもらうのは何となく気詰まり…。看護師さんていつも忙しそうにしてますからねぇ。また自分のスペースに尿瓶が置いてあるのでそれを使っても良かったのかもしれませんけど、せっかく歩けるようになったのだから自力で歩いてトイレに行きたいですよね。そこで一人でベッドから立ち上がって部屋の出入口まで行き、周囲に誰もいないことを見計らってトイレに行きました。部屋の出入口からトイレまでの距離は2mほど。まあ要するに、大部屋の隣にトイレがあるわけなのです。それでも、この時の自分にとっては大冒険でもしている気分でした笑 無事に用を足してベッドに戻り、一人でトイレに行けたぞ、やった! でもちょっとふくらはぎが痛かったな…と思いながら足をさすっていると、看護師さんがやってきました。「急に心拍数が上がりましたけど、どうしました?」と聞かれたので、トイレに行ったと答えたところ、「転ぶといけないから必ず呼んで下さいと言ったでしょう! 頭打ったらどうするんですか! 次からは絶対に一人で行かないで下さい!」と、本気で怒られました^^; 確かに何か事故でも起こしたら看護師さんの責任が問われないとも限りませんし、軽率でしたね。後でリハビリの先生に一人でトイレに行ってめっちゃ怒られたと言ったら「看護師さんは、患者の身体をベルトで拘束できるんですよ。だから看護師さんの言うことは聞いた方がいいです」とのこと。ひえ~それを早く言ってよ…と思いました。

なお、看護師さんと一緒にトイレに行く場合は、自分のベッドからトイレの前まで付き添ってもらって、一人で個室に入って用を足し、終わったらボタンを押して(トイレ入口の表示灯が点灯する)看護師さんに来てもらって、また自分のベッドまで戻る…という感じでした。それにしても、やっぱりトイレのたびに来てもらうのは気が引けるので、できるだけ水を飲むのを我慢してトイレの回数を減らしたりしてました。なぜか部屋の設定温度が高めで汗をかきやすかったせいか、そんなにトイレに行かずに済んだのは都合が良かったのですが^^;

 

▼毎日の朝食と昼食の間にコロナ治療薬の点滴があるのですが、大部屋に来てから3日目に「今日でこの点滴は終了します」と言われました。コロナ治療薬を投与しなくてもいいってことは、もう体内にウイルスがないってこと…?と聞いてみたら「この薬は決まった治療プログラムに従って投与されるのですよ。そのプログラムが終了して、順調に回復しているので点滴も終わりになりました。あまり回復してなかったらプログラムが延長されるんですけどね」とのこと。さらに、集中治療室で目を覚まして以来左腕に刺されっぱなしになっていた点滴の針も「もう退院まで点滴はないので取っちゃいましょう」てことで外してもらいました。いや~、どんどん普通の身体に戻ってきてる! さらにさらに、トイレに行くために看護師さんを呼んで移動するときに「頭がフラフラしたり、気分が悪くなったりすることはないですか?」と聞かれたので、全然大丈夫です!点滴の針も今日取れたんですよ!と言ったら「ああ、それじゃもう次からは一人でトイレに行ってもらって結構です。担当の看護師にも伝えておきますね」。やったー!完全なる移動の自由が手に入った!(全く完全ではないけど笑) 自分で好きな場所に好きなように行けるって、目の前がパッと開けたような気分になりますね! そして、誰に気兼ねすることもなくトイレに行けるのって、とても大事なことだと思いますよ、はい。

 

▼リハビリは、土日(大部屋に移って3日目と4日目)はやってなくて平日のみ実施という感じでした。また、病院が理学療法士を手配するようなのですけど、どういうわけか人を確保できなくて、週明け月曜日(6月14日)もリハビリがないという事態になってました。コロナに対応できる理学療法士の数が限られているのかもしれませんね。しかしリハビリの先生が来なければ何もできないわけではなく、朝起きて朝食までの時間に足を上げ下げする運動をして、朝食後と昼食後は部屋の中をぐるぐる歩き回って身体を動かすようにしてました。時折、看護師さんが付き添って病棟内の廊下を歩かせてくれることもありました。まとめて長い距離を歩くと、自分の足で歩いてる!という実感が持てて楽しいです(^^) ナースステーションの前を通ったら、腿をしっかり上げて歩くといいトレーニングになるよ!と言われました。確かに腿上げしながら歩くと、もの凄く体力使いますよね。バランスを取りながらってことにもなるので、単純に歩くよりもずっと複雑な運動になりますし。あとは、わざと大股で早歩きする練習とか、階段の昇降を考えて片足でバランスを取りつつ30秒間立ち続ける練習なんかもしました。そうやって運動していると、身体の動きが日一日と良くなっているのが感じられます。よーし次も頑張ろう!と思えるのですよ。

でも、体力の方はゆっくりとしか回復しないようでした。午後もずっと歩き回っていると、あるところで突然身体がずっしりと重く怠くなって、足が上がらなくなってしまうのです。そして何より、もう少し歩こうという気力が続かなくなります。多分、体力的な余裕が相当に少ない状態に陥ったのでしょうね。コロナ前の日常生活では、疲れた疲れたといってもそこまでの疲労を感じることはなかったのですが、入院中は体力の限界を感じることが何度もありました^^; それを看護師さんに話してみたら「まだお若いんですから、慌てずに休みを入れながらリハビリすれば元通りになりますよ」と言われたのです。そういえば前にも「まだお若いから…」と言われたことがあったなと思って、お若いといってももう50前のおっさんなんですけどと言ってみたところ、何日も寝たきりになって歩けなくなった人が40~50代までなら、たいていの人はリハビリで寝たきりになる前の状態にまで回復できるそうです。ところが60代以降になるとリハビリしても元に戻るとは限らず、むしろ完全な回復を目指すよりは残った機能を温存する方向で治療が進むのです。そういう意味で「まだお若い」と言われるわけなのですね。確かに、10~20代の体力があった頃に比べたら今でさえメチャクチャに老化しているな…と思うくらいですから、これが60代以降だったらどうなるか…と考えると、ちょっとしんみりした気分になりました。

 

▼お風呂(シャワー)は平日昼間に入ることができます。一般病棟の個室にいた木曜日に何とかシャワーを浴びて、あースッキリしたーと思いながら大部屋に来たのですが、そこからまたお風呂に入れず、汗だくだし頭が痒いし気持ち悪いなぁ…と思っていたら、月曜になって「お風呂入りたいですか?」と聞かれました。ついにお風呂もキター! 患者が30分ずつ交代で浴室を使うことができるのです。もちろん入ると答えると、午後が空いてるので入ってくださいと言われました。ただし午後と言っても夕方や夜ではなく、あくまでも昼間。一応時間の希望を聞いてくれるので、一番遅い時間をというと、だいたい15時頃から30分間が割り当てられました。まあ、自分がいたときはたまたま大部屋の患者が少なく、時間の融通がしやすかったようです。

浴室は家庭の風呂と同じように洗い場とバスタブがありましたが、シャワーのみ使用可となってました。ここでお風呂に浸かりたいとは思わないですし笑 検査着の下やパンツ型オムツを脱ぐのにはまだ少し苦労しますが、シャワー自体は何の問題もなく使えました。ほんの4日前はおっかなびっくりシャワーを浴びてたのが信じられないくらいです。普通のことが普通にできるって、実は素晴らしいことなんですよね。そして、この後は退院までほぼ毎日風呂に入れました。入院生活がどんどん快適になってます!

 

▼大部屋に収容されている人の中から、時々退院していく人がいました。たいてい、その人の主治医が来て「明日以降は退院できますよ」みたいな話が出て、その後に看護師さんと退院日や精算について話し合いがあり、退院の日になると取りまとめた荷物を持って部屋を出て行く…という流れです。いいですよねぇ、退院。週明け以降、自分も結構歩けるようになってきたし、家に帰っても何とかやっていけそうなんだけどな…と思うようになりました。看護師さんも「そろそろ退院の話が出る頃ですね」と言ってくれてましたし。しかし先生からは特に何のコメントもなく、火曜日あたりにレントゲンを撮っただけで同じような日常が水曜日まで続いたのでした。

 

というわけで、次回に続く。