司法書士のお仕事(5)
司法書士の試験て、問題文の細かいところまで気を付けて何が書いてあるのかチェックしないといけないよ、とか言われたりしますよね。過去問で言えば、有限会社何々という会社がいつの間にか株式会社何々に変わっている、みたいなヤツのことです。普通、会社名て有限会社か株式会社かなんて特に気にせず、何々の部分しか見てない気がするのですが、試験ではそんなこと言っていられませんし、仕事で気が付かなかったら大変なことになりますね。まあ司法書士をはじめとして書類の記載事項がとても重要な意味を持つ仕事は何でもそういう注意力を求められると思いますけど、時には見落としたり間違えたりすることもあるわけなのです。最近もこんなことがあったそうですよ。
お、今話題の空き家問題か?と思ったら微妙に違うというか。使われていない家屋があって危険な状態だったので、町役場の職員が所有者に連絡して解体させたところ、その所有者だと思っていた人は所有者ではなかった、という事例です。本当の所有者と今回間違えられた人は同姓同名で、住所を確認するのを忘れていたために間違えてしまった、ということらしいです。まあ、そういうことってあるんだねぇ…としか言えませんが、名前と住所を確認するのはやっぱり大事なんだなぁと思いました。
そして今回のことが発覚したのは、間違えられていた人が更地にしたその土地を売ろうとして司法書士に依頼したからなのですね。司法書士の立場としては、あ、所有権移転登記の依頼が来た、でも登記記録上の住所と現住所とが違ってるから引っ越した時にそのままにしてたんだな、じゃ住民票の写しを取ってきてもらわなくちゃ…て感じだったんでしょうか。どの時点で役場の間違いに気付いたんでしょう? この後、間違えられた方の人の戸籍の附票まで調べて、登記記録上の住所に住んでいたことは一度もないとか、話を聞いてもやっぱりその住所に住んでいたことはないと言っているとか、おかしなことがいろいろ出てきちゃったってことなのかもしれませんね。そして登記記録上の住所のことも調べてみて、これは同姓同名の別人だ!との結論に辿り着いたのでしょうけど…役場の事務手続に間違いがあるなんてあまりなさそうだから、最初はワケが分からないって感じだったんだろうなぁ^^;
まあでも、今回の司法書士の先生のおかげで、役場や間違えられた人の誤った認識を正しく修正できたし、間違えられた人が支払ってしまった解体費用も賠償されたし、問題解決のために多大な役割を果たしたってことですよね。凄いなぁ。自分も司法書士になった暁には、こんな風に御役に立てたら嬉しいです^^
ところで、今回の記事を読む限り、解体費用は結局のところ町が負担したってことになるんですかね? それはそれでどうなの?と思わなくもないのですが、それは司法書士が首を突っ込むことではない気もしますね…。
それと、今回の司法書士の費用が6,180円であると書かれていますが、これはどういう費用が含まれているのでしょう? 報酬だとしたら、どの範囲の仕事に対する報酬なんですかね? しかも約6千円…。同姓同名の人と間違えているのだという結論を出すまでに、自分が何か見落としたのだろうか?とか、役場の手続にホントにミスがあったんだろうか?とか、相当な葛藤を経てきているのだと思うのですけど、その心労に対する金額としてはちょっと控えめすぎるのでは…と思ってしまいます。それとも、まあこんなもんだ、て感じなんでしょうかね^^;