目指せ!47歳からの司法書士受験!

法律初学者のおっちゃんが合格するまでやりますよー

気になる交通事故

自分は毎日外に出て道路を歩きますし、時には車の運転もします。だから交通事故に遭うリスクが常にあるわけですが、普通はきちんと交通ルールを守っていれば大丈夫なんじゃないかなと思う…というか普段はそんなこと考えもせずに外出しているのです笑 車と歩行者の事故の場合、基本的には車が悪い、ということになりますよね。まず物理的に車の方が大きく重く速度も高く、車と人とぶつかったらダメージが大きいのは人の方なので、車の責任を重くするのが基本というのは当然のことだと思います。また、車の方は通常は保険などに入っていて仮に加害者の立場になっても金銭的な救済が得られやすいのに対し、歩行者が車と事故を起こすリスクに備えて保険に入っておく…みたいなことは普通ではない、という考慮もあるかもしれません。まあ、基本的には歩行者の方が立場が強いけど、本当に事故ったら実際に痛い思いをするのは歩行者なので、車には気を付けましょうという話になるのですけどね。

 

ところで、車と歩行者の事故で最近気になる事例が2件あったので、ここで見ておきたいなと思います。まず1つ目。

www.yomiuri.co.jp

昨年春頃に東京オリンピックパラリンピックの選手村内で、トヨタが自動運転バスを運行するというニュースが華々しく報じられていたものですが、実際に運行してみたら事故が起こってしまったと。その結果、乗務員として車両に乗り込んで操作していたトヨタの社員が責任を問われているわけです。被害に遭われた方はパラリンピックの柔道選手で、この事故の影響で欠場したとのことで大変お気の毒です。

それでこの事故、自動運転車が人身事故を起こした!てことで最初はものすごく注目していたのですが、よく見ると「自動運転での事故」ではないのですよね。①自動運転車が交差点に立つ監視員を検知して停止→②乗務員が周囲を見て、安全だと思って車両を発進させる→③被害者が横断歩道を渡り始める→④乗務員が③に気付いて停止させようとしたが間に合わなかった、ということで自動運転だったのは①だけ。②④はすべて乗務員つまり人間の操作によるものです。となるとこれは、横断歩道を横断中の歩行者と車の事故というわけで、ある意味普通の事例…と言えるようです。しかも乗務員は②の段階で被害者が横断歩道へ接近していることに気付いていたのに「止まると思った」ので車両を発進させており、自動車会社の従業員としてはなかなかに危険な思考だなぁと思いました^^;

この事故で一番怖いなと思うのは、この車両の自動運転がレベル2で、人間の判断が介在する余地が多分にあることです。自動運転はレベル1からレベル5までの段階があって、車に乗ってから目的地まで移動して降りるところまで完全に自動となるのは一番ハイレベルなレベル5だけなのですね。レベル5では何かイレギュラーな事態が発生しても車側で対処してくれるのですが、レベル4以下ではそういう場合は人間が対処する、ということになっているのです。この事故でも、①で被害者とは別の監視員を検知して停車するというイレギュラーな事態が発生し(←ただし、自動運転のシステムとしてはちゃんと働いているのですよ。だからこそ停車したのです)、②で乗務員の操作によって発進させています。そして、ここで判断ミスをする可能性が充分にあるのですよね。実際この事故でも、乗務員は被害者が止まると思ってしまったわけですし。最初から手動運転で横断歩道の確認をするのと、自動運転だと思ったら横断歩道の手前で停止したから確認するのでは、運転操作をする人の心理がいろいろ違うでしょうし、レベル5の自動運転車が普及するまでは、不意に自動運転車(レベル4以下)が止まってしまった場合に再発進するときの安全対策をきちんとしてもらいたいなと思います。

 

次に、2つ目の事故はこちら。

news.yahoo.co.jp

環七を走っていた都営バスが歩行者を轢いてしまった事故です。いくつかの記事の内容を総合すると、ドライブレコーダーの映像によれば、歩行者が突然車道側に倒れ込んできたとのことで、それはちょっと避けようがないんじゃないの…と思わざるを得ません。しかもバスの運転手は現行犯逮捕され実名まで報道されてしまうなんて、理不尽でやりきれない気持ちになりますね。この文章の最初に、車と人との事故なら車の責任が大きいのは当然と書きましたけど、この事故のような場合までそうなのかと言われると…歩行者側の責任もきちんと評価すべきと思わされます。

そうそう、バスというと時々「直前直後の横断は大変危険です」みたいな車内放送が流れていたりしますよね。これ、ホントそうですよ。中央線が引いてあるだけの2車線道路のバス停にバスが停車していて、その後ろから車で接近して右側にはみ出してバスを追い抜くというよくある場面で、そのバスの陰から人が飛び出してくると本当にビックリしますよね^^; 飛び出してくる歩行者の方も車が来ないうちに急いで渡っちゃおうと思うからそうやって飛び出すのでしょうけど、エンジンがかかっているバスの前に出てくること自体がまず危険だし、バスの陰になっている右側から車が来ないか確かめもせずに飛び出すのは自殺願望でもあるのかとさえ思います。これも最初に書きましたが、実際痛い思いをするのは人の方ですからねぇ…。

ちなみに、車と人との事故が発生したときの過失割合がどうなるのかというと、車の方が過失が大きいとの判断が基本ではあるのですが、場合によっては人の方が過失が大きいとされることもあるのです。

www.axa-direct.co.jp

車が青信号で交差点に進入し、歩行者が赤信号を無視して横断歩道を横断して事故が発生した場合、過失割合は車3対人7が基本とされています。赤信号を無視した人の責任が重く追及されるのですね。路上では歩行者がいついかなる時も最強だ!というわけではないのです。車を運転する側からすると、これでもまだ車の責任が重いって感じすらしますけど^^;

 

ということで、皆さまくれぐれもご安全に!