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首都高速都心環状線の改築

東京の日本橋といえば、橋の真ん中に日本国道路元標が埋め込まれた、いわば日本の道路の起点です。国道1号、4号、6号、14号、15号、17号、20号は実際に日本橋を起点として東京から各地へ伸びていきますよね。また、中央区の街としての日本橋は江戸時代から下町の中心として栄え、現在も多くの商業施設が集積しています。昔懐かしい情緒と、新しさや利便性がうまく融合して、いかにも現代の東京らしい街だなと思います。

それで、橋としての日本橋日本橋川という江戸期に開削された人工河川に架かる橋なのですけど、さらにその上に首都高速都心環状線の高架橋が覆い被さっているのです。都心環状線のこの区間は1963年、前の東京オリンピックの前年に開業した、首都高速の中でも特に古い部分なのですね。この頃は高度成長期の真っ只中で都心の交通量が急増していたし、東京オリンピックもあるしで首都高速道路の建設は急務とされていたのでしょう。そこで、土地の買収の手間が省ける河川上の空間を利用することにしたのでした。日本橋付近は日本橋川の上空に高架橋を通し、江戸橋JCTから南へは築地川や楓川を埋め立てて堀割のような構造にしています。このあたりは当時から高度に市街地化が進んでいたところで、河川のスペースを使えなかったら下手すれば未だに開通していない可能性さえありますよね^^; 1960年代に都心環状線が全線開通できたのには、こういう方法で建設したから、という部分は大きいと思います。

 

時は流れて、日本橋日本橋川の上に首都高速が被さっているのが当たり前の風景になってくると、今度は日本橋の上に何もなかった頃が懐かしい、日本橋に青空を取り戻せ!みたいな声が聞かれるようになりました。伝統ある日本橋の景観を、高速道路の高架橋がぶった切っているなんてけしからん!ということでしょうか。一時期、高速道路の高架といえば排ガスや振動騒音などの公害の原因と見なされていましたし、昔は今ほど自動車の排ガス浄化性能も高くなかったので、本当に空気が汚かったと思います。環境規制が格段に厳しくなった現在はそこまで酷くないはずですが…。しかしまあ、頭上に高架橋がない方がスッキリしていいよね、ということで、このようなプロジェクトが進行しています。

www.shutoko.jp

何と、日本橋付近の首都高速をトンネルで地下化してしまおう!という壮大な計画です。2018年度に公表された概算事業費は約3,200億円! 物凄い金額ですね。しかも、現実的にはこれで済むはずがないだろうなという^^; それはともかく、地下化するのは神田橋JCT〜江戸橋JCTで、トンネル前後の取付部を含めて事業区間は約1.8km。これにより、日本橋付近から高架橋が消えるとともに、川べりに遊歩道ができたり、地下トンネルの上の再開発を進めるなどして、さらにオシャレで商業経済活動の盛んな街にしようというわけですね。江戸橋JCTの改良も目玉の一つと言ってよく、都心環状線竹橋JCT方面と汐留JCT方面の相互間は今の八重洲線とKK線への連絡路(8号線)をつないだ神田橋JCT〜京橋JCTを使って連絡し、江戸橋JCTでは都心環状線の西方向と南方向への接続は廃止されるようです。現状の江戸橋JCT付近は首都高速屈指の渋滞ポイントになってしまっていますが、これが少しでも解消されるといいですね。

気になる完成の見込みは、地下化した高速道路の開通が2035年、高架橋の撤去完了が2040年とされています。これだけの大規模プロジェクトなのだから時間がかかるのは分かりますが…完成はまだまだ先の話ですね^^;

 

あ、それで都心環状線の新しいルート「新京橋連絡路」はこちらに解説があります。

trafficnews.jp

今までどうにもマイナー路線のイメージが強かった八重洲線や、利用者にはその存在が周知されていなかった8号線が、都心環状線の一部としての重責を担うことになるなんて、長年二線級の地位に甘んじて耐えてきた甲斐があったというものだ、大出世できて良かったね!と思わず声をかけたくなってしまいます笑 その一方で、KK線すなわち東京高速道路が廃止されてしまうのはとても残念。高架道路と店舗等が一体化した構造は意外と珍しく、これだって将来に残すべき東京の一風景だと思うのですけどねぇ…。それと、気になるのは晴海線との接続。現在は10号晴海線として東雲JCT〜晴海出入口間が開通していますが、この路線はさらに都心方向に延伸して都心環状線と接続する計画があるのです。それがちょうど現在の新富町出口あたりで、単なる出口にしてはやたら大げさな構造物が作られているのは、将来晴海線の下り線を分岐するためなのです。でもこのあたりに新京橋連絡路が接続することになったので、晴海線の分岐を廃止するそうなのですね。となると、晴海線の接続はどうするんでしょう? 新京橋連絡路が完成してから改めて検討するって感じになるんでしょうかね。気の長い、というか気の長すぎる話だなぁ…生きているうちに晴海線の完成が見られるのかな^^;

 

ちなみに自分は日本橋の高架橋がなかった時代なんて知らないし、むしろ街中に高速道路の高架が通っているのは都会らしいとさえ感じます。だから日本橋の高架が撤去されるのは、青空を取り戻すというよりは、橋としての日本橋が雨ざらしになってしまって可哀想だな、と思います。まあしかし、日本橋付近の地下化や江戸橋JCTの改良は、これはこれで興味深いのです。もう作ることは決まっているのだから、できるだけ早く完成するといいですね^^