時代の流れ、社会の流れ…
自分のやっている仕事がなくなる…!って危機に直面したことのある人ってどのくらいいるものでしょうか。実は自分が今現在やっている仕事がそういう状態で、司法書士を目指す強い動機の一つになっているわけなのです^^;
仕事がなくなってしまう理由が自分の努力不足とか能力不足とかいうのであれば、まだ諦めもつきます。しかし、会社自体がなくなってしまうとか、その職種あるいは業種自体が社会的に必要なくなってしまったとかいうことになると、個人としてはまったく納得もいかないのに職を失う事態となって、社会に対する不満が蓄積したりするわけですよ。しかも、そこで失職する人に家族がいたりすると、影響する人の数は思ったよりもずっと多いのです。だんだんと状況が変化していって余剰になった人員を順次他へ移すことができれば表面上は丸く収まりそうですが、悪いことにこういう変化ってだいたい急激に訪れるものです。あ、いや、外から見ていると何年も前からそういう兆候はあったし予想できたじゃん、とか思うものですけど、当事者はなかなかそう思えないのですよねぇ。さすがに、若い頃勤めていた風俗関係の業務をやっていた会社はいかにも先がなさそうだったのですぐ退職しましたが…(案の定、自分がやめてから1年ほどで潰れてしまいました。警察の規制が強化される一方ですもんね)。
今現在勤めている会社も、いわゆる斜陽産業であって衰微していく途中ではあるけど、まだ完全に止めを刺されるところまでは行ってない、という感じ。それで時々、自分がもっと努力することで、(少なくとも自分の仕事が確保される程度には)会社が生き残る方策を採ることができただろうか…と考えることがあります。しかし多分、答えはノー。時代の流れ、社会の流れだから、というと極めて敗北主義的で気に入りませんけど、でも現実にはそうなのです。どうにもできないことって世の中にはあるのですよねぇ…^^; それなので、あるときから会社に残ってどうにかするよりは、会社を辞めて他の仕事をしようと考えるようになり、その中で司法書士の仕事は面白そうだからやってみたいなと思うようになったのでした。司法書士という職業だって未来永劫存続するとは限りませんけど、今やっている仕事よりはまだ望みがありそうな気がしています。司法書士の将来性については、司法書士試験に合格してから改めて考えてみようかと思うのですが笑
ところで、自分が働いている業種は斜陽産業なだけあって同業他社の中には倒産や廃業に至った会社がいくつもあるわけです。しかし、それらのどの会社も小規模なというか、純粋に大きさだけいえば零細企業が多く、仮に倒産したとしても社会的にそれほど大きな影響があるわけではありません。自分が勤務している会社の場合も、せいぜい普段付き合っている取引先があ〜何か危なそうだったもんねとか思う程度な気がします。ところがこれが、従業員数が数百人数千人という規模の大きな事業所がなくなるって話になると、その影響は自分の生活とか取引先との関係とかに留まらず、地域の経済が成り立つかどうかという大がかりな問題になってしまったりしますよね。最近の例ですとこんな話がありました。
和歌山県有田市といえば有田みかんの名産地と思ってたら、実際のところ有田市の製造品出荷額の90%以上をENEOSの製油所が占めていて税収も相当部分を頼っているという、ある意味製油所のモノカルチャー経済のような感じなのですね。で、その製油所が閉鎖される予定となってしまって大慌てというのですが…。
そういえばちょうど1年前の冬、和歌山のこの辺りに行きました。出荷するみかんを荷台に山積みにした軽トラが山から降りてきて国道沿いの農協に運び込んでいるところを何度も見かけましたし、箕島漁港には新しくて小綺麗な直売所とレストランの複合施設「浜のうたせ」てものがあって、美味しい魚を食べることができましたよ(箕島漁港はタチウオの漁獲高日本一だそうですね。串焼きにしたのとか、押し寿司とか売ってたし、レストランに海鮮丼もあったし、アレもコレもと食べまくりました笑)。直売所でいろんなみかんも買いました。そういうことからすると、みかんや海産物で経済を回していけばいいのでは…と一瞬考えてしまいますが、製油所が及ぼす経済効果はそれよりも遙かに大きいのですよね。浜のうたせだって製油所からの税収等がなければ建設できなかったかもしれませんし、市の財政としてはもう“オイルマネー”抜きでは考えられない状態なのだろうなと思います。とはいえ、相手は民間企業ですし、脱炭素への動きだって止められませんし、誰にもどうにもできないような気がしますね。残念なことですけど。
考えてみれば特定の企業に依存する自治体というものは日本全国至るところにあって、その企業が撤退するという形で自治体がダメージを受ける例も、上の動画に出てくる旧下津町のようにたくさんあります。炭鉱が閉鎖されたとか工場が移転したなんてことは枚挙に暇がないわけで、有田市とENEOSの事例もそのうちの一つに過ぎないとも言えます。炭鉱の閉鎖によってダメージを受けた北海道内の自治体なんかは相当に悲惨な状態になってますけど、それからすると和歌山や大阪に近い有田市はまだしも生き残りの手段があるのではないか…という感じがしますね。具体的なアイデアを今すぐ出せるわけではありませんが、農業漁業に向かないとか、そもそも人が住むのに適してない土地柄というわけでもないですから。
それにしても、撤退を発表したENEOSに文句を言いたくなる気持ちも分かりますし、抵抗できない時代の流れというか、社会の流れというか、そういうものに飲み込まれざるを得ない人たちの無念さと無力感は、とても共感しますしご同情申し上げます。とはいえ、設置されてから80年も経った製油所が今後いつまでも存続するなんて素人考えでも無理だと思えるし、石油に依存しすぎることの危険性はずっと以前から認識されていたのだから、今になって怒りをぶちまけるのはちょっとどうなの?という気もします。それより、自力でどうにもならないことはさっさと諦めて、他のことをやったらいいのにと思いました。現実にお金が入らなくなってしまいますからねぇ…って単なる雑談なのにまた長くなってしまったなぁ。生き残るために勉強しなくちゃですね笑
あ、浜のうたせのWebサイトがあるのでリンク貼っておきます。
試験が終わったらまた行こうと思います。白浜のアドベンチャーワールドももう一度行きたいな^^