目指せ!47歳からの司法書士受験!

法律初学者のおっちゃんが合格するまでやりますよー

インターン行ってきました(1)

さて、今年の司法書士試験の基準点発表祭りも終わって、また合格発表まで神経がピリピリする日常が戻ってきましたね。自分は記述の結果待ちといったところです。やれやれ^^;

 

先月、リーガルジョブボード主催の合同説明会に行き、そこで面談した4つの司法書士法人のうち2つからお声がけいただいた、という話は以前ここに書いたと思います。で、先週から今週にかけて、その2つの司法書士法人インターンとしてお邪魔してきました! 予想していたよりもずっと面白くて、行ってよかったな〜と思いましたよ^^ で、見聞きして思ったことを書いておこうと思うわけですが、一応その2つの司法書士法人の名前は伏せておくことにします。あまり外部に知られたくない…ということがあるかもしれないですし。でも、まだ司法書士試験に受かるかどうかも分からない者に対して事務所の中や仕事のことをいろいろと見せて下さった事務所の方々には大変感謝しております。

 

1つ目の事務所は、都心部から電車で20分ほどの駅の真ん前にあります。ビルのワンフロアを丸ごと司法書士事務所としていて、エレベータを降りると受付用の電話機があるのが今どきの会社っぽい感じです。自分がお邪魔したのは平日の午前9時ちょっと前で、デスクとPCが整然と並ぶオフィス内では30人か40人くらいの人がいて活気があります。この事務所さんはここ数年で司法書士法人としては異例の急成長を続けているということで、さもありなんと思わせる勢いが感じられます。そして、働いている人は若い人が多いというか、補助者はほとんど女性のようですし、本職の司法書士も割と若い方(おそらく40代前半以下)が多いようにお見受けしました。若い人が多いと、パッと見華やいだ感じがしますよね。今まで勤めていた会社とは違うな…と思いました笑

 

所内の人たちに軽く自己紹介した後、まずは実際の申請書類を見せていただきました。最初は、これから件数が増えるであろう相続登記の書類。登記申請書は、今まで不動産登記法の記述式で書いてきたものとそれほど差はないようでしたが、驚いたのは戸籍ですかね。「被相続人の出生から死亡までの戸籍」と簡単に言ってしまいますが、コレを揃えるのはかなり大変。特に被相続人の尊属側は、兄弟姉妹が多かった時代だったこともあって、かなりの戸籍を集めなければいけません。しかも、昔の戸籍は達筆すぎる毛筆で書かれていて、本当に判読できないようなものもあるのですねぇ。自分はここで初めて見ましたが…仕事で読まなくちゃいけないとなったら苦労しそうです^^; それから、それほど件数は多くないそうですが商業登記の申請書類もありました。自分が見たのは株式会社の設立に関するもので、会社の目的について詳細に検討が加えられているのが印象的でした。設立登記はある程度定型的な対応が可能なものなので、この事務所ではアンケート用紙のようなものを作っておいて、お客さんがそれに必要事項(会社の目的、資本金の額、取締役会を置くか置かないか、など)を記入して、司法書士がそれを見ながら定款や申請書を作成する、という流れになっています。それでお客さんは、会社を設立したらアレをやりたいコレもやりたい〜という感じで会社の目的を書き連ねてくるわけですが、それに対して一つ一つ、法的にそれを目的とすることが可能なのか、実際に定款に記載するにはどういう文言にするのか、そもそもお客さんがやろうと思っていることに対して会社の目的として適切なのか、といったことを細かくチェックしているのですね。そして出来上がった申請書の会社の目的を見ると、当初お客さんがアンケートに書いていた会社の目的とはずいぶん違ったものになっていました。法律に適合し、なおかつお客さんのやりたいことを実現するにはそれがベスト、という形になっているのでしょうね。商業登記の記述式では、会社の目的なんてただ書き写すだけと思ってましたが、実務では細かく見ていかなければいけないところなんですねぇ。記述式問題の読み方が変わりそうです^^

次に、お盆の時期ということで相続のご相談に来られるお客さんが多く、そのうちの一つに同席させていただくことができました。ここでも、まずはどんな財産があって、どのようにしていきたいか、相続人の希望を聞くアンケートのようなものに記入してもらって、それを見ながら話を進めます。普段から「自分が死んだら預金はこうなってて、家と土地はこうで、保険はこうで…」みたいな話をしている人はあまりいないし、遺言書を作っている人も少ないと思いますが、そういう話がなかったかも聞き取ります。それから、相談に来た相続人の他に相続人がいないか調査するのはもちろんですし、そういえば○○県○○町に別荘があるとか聞いたような…という話が出てきたら、それに該当しそうな物件があるかどうかも調べます。相続税がかかりそうなら税理士さんにつなげるということもしてますよ。また、登記には直接関係ありませんが、被相続人名義の預貯金の取り扱いについて司法書士の先生が丁寧に説明しているのが印象に残りました。名義人が亡くなってしまったことが金融機関に知られると預貯金が凍結されるのですが、相続人としてはそれでは困る、というのはよく聞く話です。そこで、キャッシュカードや通帳があるのなら残高を調べてみて下さい、司法書士事務所に依頼すれば残高を調べることができますがお金がかかるので残高が多そうな銀行に限って依頼してみるのがオススメです、みたいなことをアドバイスしていました。急に家族が亡くなって動揺した状態で来所する相続人を落ち着かせつつ必要な情報を引き出す話術って、目の前で見ていると凄いなぁと思いますよ。自分にできるかな〜^^;

それから、この事務所は業務のIT化が高度に進展しているのが特長的でした。事務所で働く人全員の連絡事項は全員個別のPC上で見られるし、予定も分かるし、誰がどこで何をしていて、どの仕事がどこまで進行してるかを全員で共有できるのです。あと、「権」(←「けん」ではなく「ちから」と読むそうです)という司法書士業務の専用ソフトウェアを初めて見ました。不動産登記にしても商業登記にしても法人登記にしても、それらに必要な添付書類(登記原因証明情報とか株主総会議事録とか)も、だいたいの雛形は全部内蔵されていて、必要事項を入力すればあっという間に申請書一式が出来上がってしまうのです! コレはスゴイ! 権を使って書類作成をしている補助者の方と少し話をしたのですが、特に法律のことなど知らなくても、コレとコレを入力すればいいというのを覚えてしまえば誰でも作れちゃう、と言ってました笑 まあでも、それがPCを使う大きなメリットであるわけですしね。あ、もちろん実際に申請する前に司法書士のチェックが入りますよ。権利の得喪に直接関わる書類なので、司法書士が直接作る書類も必ずダブルチェックしているそうです。やっぱりそのへんは疎かにできませんね!

 

ということで、勢いのある事務所っていいなぁ〜こんなところでバリバリ働くのも面白そう、と思いました。でも自分はコミュ障なので、実際入ったら苦労するかもしれませんが…。てことで、長くなってきたのでもうひとつの事務所さんの話は次回に続きます。