目指せ!47歳からの司法書士受験!

法律初学者のおっちゃんが合格するまでやりますよー

インターン行ってきました(2)

司法書士事務所のインターンは、もう1ヶ所行ってきました。こちらは司法書士業界の巨人というか、所属する司法書士の数も、売上高も、日本有数の規模を誇る大きな法人です。やはり日本有数のターミナル駅から徒歩数分に位置するビルの最上階が集合場所で、近隣がマンション建設ラッシュに湧くまでは大変眺めが良かったそうですよ。というか司法書士法人というよりは、安定的な大企業に面接に来たような気分になりました笑

 

大規模な法人の魅力といえば、やっぱり受任する件数が多いこと、だから仕事に困ることはまずなさそうなこと、そして件数が多いので珍しい登記の仕事に関われる確率が高いこと、ですね。件数が多いということは、基本的に司法書士が営業活動をすることはないわけです。これはイイことですよ。自分が一番苦手とする仕事ですし。それでも司法書士の手が足りないという状況だそうなので、新人として入ってもどんどん実務経験積んでいけそうです。また、件数が多いことと関連して、司法書士法人だけでなく、税理士法人土地家屋調査士法人からなるグループを形成し、ワンストップサービスを提供しています。これは今でこそどの事務所でも当たり前のようやっていますが、最初にこのアイデアを実現したのがこの事務所なのだそうですよ。実績があるわけですね!

次に珍しい登記というのは、たとえば工場財団の登記とか、動産抵当の登記とか、債権譲渡登記とかのことです。それから、大規模な企業の組織再編に絡む登記は、珍しいというのとは違うけどなかなか関わる機会のないもののようですね。で、これらの登記を必要とする人がどういう司法書士事務所に依頼するかといえば、やっぱり大規模な事務所ってことになるんじゃないでしょうか。大きな会社同士が合併して、その登記を街の個人事務所に頼む…というのは考えにくいのです。だから、そういう仕事に関わってみたいのなら、大きな事務所に就職すると可能性が高まる、ということは言えそうです。

 

それで、朝10時前に事務所にお邪魔して、最初の1時間ほど事務所内の見学ツアーをしてから、先輩司法書士のお話をたくさん伺いました。不動産・相続・後見、商業、サービサーなど、それぞれ専門でやっている方が、それぞれの業務内容を詳しく説明してくれたのでした。司法書士業界で注目を集めているのは何と言っても相続登記の義務化であり、この事務所としても力を入れているそうですよ。担当の司法書士さんのスケジュールを拝見しましたが、毎日お客さんと会う予定がびっしり入っていてお忙しそうでした。そして、相続って前の事務所の見学でも思ったのですが、とてもデリケートで神経を違うべき業務ですよね。依頼に来られるお客さんは、身近な人を亡くしたばかりなのですし。そんなお客さんの機微を読み取り、お客さんが頼んで良かったなと思えるような仕事をするのは、ある程度の経験が必要なようだなと思いました。

そうそう、司法書士って申請書類を作るために事務所でのデスクワークがメインなのかと思ったらそうではなくて、昼間は基本的にお客さんのところを回って話をして、夕方事務所に戻ってきて必要な事務をする、という感じなのだそうです。そのために事務所内の業務は徹底的に分業していて、申請書を作るところは完全に補助者が担当し、司法書士はどういう申請書を作るかの指示を出すのと、出来上がった書類のチェックをする、という風にやるそうですよ。もっとも、完全な分業制となると、お客さんから話を聞いて申請書を出すまでの流れの中で、司法書士の資格を持っていても関わらない部分が出てきます(この事務所なら、純粋に書類を作るところなど)。すると将来独立を考えている人は、一通り全部の業務を経験できないのは不安だと言ったりするそうです。しかし、補助者が担当するのはあくまでも司法書士の資格がなくてもできるところだけで、その分司法書士は資格がなければできない業務に集中できるのだし、資格がなくてもできるところは独立してからキャッチアップすることも充分可能とのことでした。ふ〜む。

個人的に一番興味を感じたのは、珍しい登記の話だったりします笑 そして、そういう話が登場するのがサービサーに関連する業務に集中しているのが何とも…なのですけれども。サービサーというのは債権回収を専門に行う会社のことです。で、債権譲渡登記の特長は第三者対抗要件と債務者対抗要件を分離できるところにあるのですが、それは債権を扱う人(サービサー)にとってとても都合が良いわけです。つまり対抗要件がどうのという法律論が、ちゃんと実務に役立っているのだなーと実感できるところが面白いなと思います。でも、そういうのを考えつくには相当に知恵を絞る必要がありそうな…あーでも回収の仕事自体は司法書士ではなく回収専門の人がやるのであって、回収する人がこういうスキームで〜と言ったら司法書士はそれに従って登記を入れていくだけなのかな、と思わなくもないのですが、珍しい登記に関われるのならやってみたい気もします^^; しかしサービサー担当の司法書士さんも昼間は外出してお客さんと会っていることが多いというし、どんな感じなのかもう少し詳しく知りたいですね。

 

そんなこんなで、楽しい一日でした。早く試験に合格して働きたいなーと思いましたよ。そして、質疑応答のときに、自分の年齢的に新人としてやっていけるのかと尋ねてみたところ、「あなたくらいの年齢で司法書士を始めるのなんて全然大丈夫ですよ」と言っていただけたのにはとても勇気付けられました。最後にもう一度、インターンにご協力くださった司法書士事務所の皆さま、ありがとうございました^^