憧れの車(2)
コンパクトで、そこそこ荷物と人が乗せられて、可能ならM/Tで、何より見た目が可愛い車として、前回はメルセデス・ベンツ ウニモグが欲しい、という話をしてみました。自分の理想をそのまま現実の形にしたような車なのですが…いかんせん値段が^^; ということで、もうちょっと現実的な値段で実際に入手できそうな車を見てみることにしましょう。それがこちら!
これもウニモグに劣らず可愛らしい見た目がいいですね! でもソ連時代の設計でロシア製…機械としての出来には一切期待できません笑 それはともかく、この車はソ連時代から続くロシアの自動車メーカー「ワズ」のロングセラーモデルなのです。「ブハンカ」は愛称(食パンという意味らしい)で、現行モデルは2206といいます。現行モデルってことはつまり、驚くべきことに新車が手に入るのです! そして上記記事のタイトルにマイクロバスと書かれている通り、標準設定で9人乗りが可能なようですよ。いや、これなら3世代同居のご家庭でも揃ってお出かけできるかも^^ または、日本車でいえばハイエースのようなバンタイプのトランスポーターとして使用することも可能です。ということで、前回出した条件のうち条件①と②はクリアですね。
ロシアの車なので左ハンドルのみで、しかも5M/T…というか、ハイ/ローのトランスファーを持ち、それぞれに5段の変速ができるので、実質10M/Tと言える…のかな? もしかするとローの方は、日本の農家向け軽トラにも設定のあるクローラ段のようなものかもしれません。それだと普段使うのは高速段の5M/Tということになりますかね。ということで、紛う方なきマニュアルトランスミッションなのですから文句なく条件③をクリアしています^^
再び見た目の話になりますが、今の車は角張っていて厳ついというかオラついてますよねぇ。でも昔は日本車も丸いボディに丸目というデザインは普通に見られました。ワズ2206は1960年代の車がそのまま現代に現れたようで(しかも事実その通りと言えてしまう)、それが独特の懐かしさを感じさせるのでしょうね。ただ、その懐かしさを抜きにしても、この可愛らしいエクステリアは素晴らしいと思います。現在の自動車メーカーは何故こういう車を作ってくれないのかと思ってしまうほどです。なので条件④も、もちろんクリアです。お、ウニモグと並びましたね笑
他方、ウニモグに対する圧倒的なアドバンテージは、何と言っても値段です。昨今の円安やロシア情勢によって日本での価格は上昇していますが、それでも(輸入業者を通し、納車前に整備と登録をしてもらってさえ)乗り出し500万円以下なのです。ウニモグの10分の1ですよ! こういうところはロシアの本領を遺憾なく発揮してますね^^
もっとも、ワズはワズでウニモグとは別のハードルが存在します。それは主に、ロシア生まれだから、ということなのですが^^; ロシア製と聞いて真っ先に心配になるのが、やはり機械としての信頼性や耐久性ではないでしょうか。自分は以前、ロシア製のカメラやレンズにハマっていたことがあるのですけど、光学機器なんていかにも精密って思いますよね。ところがロシアのそれらは本当に工業製品なのか…?と思うような劣悪な精度で作られていることも少なくないのですよ。まあ、それを含めて楽しむのがロシアンカメラの醍醐味とも言えるし、それを許容できる低価格でもあったし、偶然ちゃんと実用になる個体に巡り合えれば、撮れる写真は本当に綺麗でした(レンズの設計は、元はといえば東ドイツから引っ張ってきたものですからね)。そういう、たまにある「大当たり」を探すのが一番の楽しみ、と言えなくもありません笑
では自動車はどうなのかというと、現在のロシアでは日本車の中古車が大人気…というのは置いといて、やはりロシア人の目から見てもワズ2206のような車は時代遅れなものみたいです。ソ連時代が終わって既に30年経っているのに、未だに基本設計がそのままというのは…^^; もっとも、内部的には改良されており、現在のエンジンはフューエルインジェクションで、キャブレターをいじったりする必要はなくなっているそうです。ってこんなの日本車だったら当然のことですが、ロシア車ではトピックになるのですねぇ笑 それと、自動車もカメラと同様に完成度がまちまちだとすると、当たりを引いたときはいいのですが、ハズレを引いたら目も当てられません。しかも車が運任せというのは…。
耐久信頼性や走破性については、もともとワズ2206(のベースモデル)は軍用に作られたという話があり、それなら極寒のシベリアや中央アジアの砂漠でも走破できるはず、可愛い見た目なのに凄いじゃん!そこもウニモグに負けてないな!と思うのですが…実際、近年でもカンボジア軍で使われている様子がネットに上がってたと思いました。でも軍での運用ってどんな感じなんでしょうね? ウクライナに侵攻したロシア軍の捗々しくない戦果を見ていると、ワズ2206も舗装された道路の上だけを走るのがいいんじゃないかな、とか思います笑
しかし、いろいろと不安要素があるのは分かっていても、自分で所有してみたいなと思わせる車ですよね。やっぱり見た目の影響は大きいです! それに新車が手に入るのもいいところ。もちろん現状ではロシアからの輸入はできないので、それ以外の国で生産された車が日本に入ってくる、ということになるようですが。まあでも本当にこの車を買ったら、休みの日は車の世話で付きっきりになっちゃうんでしょうかね。手のかかる子ほど可愛いという面も確かにあるので、それはそれで楽しそうですけど、やっぱり相当な覚悟が必要ですね^^;