スピードアップのトレーニング
ご存知の通り、司法書士試験は午前は多肢択一35問、午後は多肢択一35問+記述式2問が出題されます。このうち午前は制限時間が120分なので、そこそこ余裕をもって解答することができます(それによって平均的に得点が上がる→基準点が上がりやすくなりますけど)。ところが午後は、午前より60分長い180分であるにも関わらず、まったく時間が足りません。不動産登記法にしても商業登記法にしてもその他のマイナー科目にしても、実生活上ほとんど未知の手続きについて細かいことを聞かれるのでサクサク読み飛ばすってことができませんし、記述式は資料が多くて大まかに話の内容を掴むだけでも時間がかかります。そこで、いかにして午後のスピードアップを図るかが、試験対策上とても大切になってきますよね。問題を解く順番とか、多肢択一で組合せ問題だったら余計な肢は読まないとか、記述式の資料の整理の仕方とか、ボールペンで速く書く練習をするとか、いろいろな対策が考えられると思います。でも根本的には、多肢択一の解答を出すスピードが上がらないとどうにもならないって感じがしますよね^^;
正攻法としては、民法や会社法など実体法の知識をしっかりと固め、過去によく出題されているものを中心に手続法の必要事項を覚えていく…ということになるんでしょうけど、それはもう言われなくても散々やってきてますね。まあ、正攻法の勉強がきちんと頭に入るのが理想ですけど、そろそろそうも言っていられない時期に差し掛かってきましたし、もっと即物的に速度を向上するトレーニングをすることにしました! つまり、問題文を読んで即座に答える、という解き方を習慣づけるのです。選択肢をパッと見て「これは正しい!」「これは誤り!」と判断するわけですね。もう法律の勉強というよりクイズの早押し問題みたいですけど笑
で、そういう練習をするとなると、紙の本ではなかなか難しいのです。合格ゾーン過去問集は解説が詳しいので頼りにしているのですけど、解きながら読んでいるとついついじっくりと読み耽ってしまって、いつの間にか時間が経ってしまった…ってことありませんか? 解説をじっくり読み込むのはいいとしても、それに引きずられて問題文の方も時間をかけて読もうとしてしまうのですよ。そしてじっくり読んでいるから、時間の割には実際に解いた問題数は大したことない、ということにもなりやすいです。
逆に、スタディングの問題集はそういう練習に向いていると思います。スタディングには一問一答形式のスマート問題集と、過去問を基本的にそのまま解くセレクト過去問が用意されていて、スマート問題集は過去問の5つの選択肢のうちの一つを持ってきていることが多いですね。で、それらの問題はすべて解答するまでの時間を計ってくれるのですよ。1問ごとに、この問題は解答までに何秒かかった、次の問題は何秒だった、というのを表示してくれます。まあ紙の本でも自分で時計を見ながらやれば何となく同じことはできますが、秒単位でキッチリ計るのはちょっと面倒。その点スタディングは便利ですよね。クリック(タップ)するだけですから。スタディングを使い始めた頃は、時間なんて表示してどうするんだろう…?とか思っていたのですけど、今になってみるとすごく有り難い機能なのですね^^;
さて、セレクト過去問は1問あたり原則4分で解く…というのがスタディング側で設定した標準の解答時間のようなのですが、コレを本気で受け取っている人はいないと思います。本当に4分もかけるのは計算問題とか登記記録を読まなければいけない問題くらいで、多くの場合は見てすぐ解ける、くらいのスピード感でやりたいところ。たとえば民法は本番で20問出題されますけど、1問あたり4分もかけてたら全体で80分もかかってしまい、午前でさえも間に合いません(1問あたり4分ずつ時間をかけて35問解くと全部で140分。試験時間をオーバーしちゃいます)。
ということで最近は、午後の科目は特に、過去問1問を1分以内で解くことを目標に練習というか訓練しています。単純な知識問題は、ぱっぱと片付けられますよね。最初の頃は問題文を読んで内容を理解するだけでも結構時間がかかったから、それからするとだいぶ頭と目が慣れた気はしますが…それでも読むだけで時間のかかる問題があったりします。自分の場合、不動産登記法の処分制限の登記や判決の登記、敷地権絡みの登記に関する問題は、何となく読むのに時間がかかります笑 1問1分どころではなく、つい5分くらいかかっちゃったりするのです。それから、登録免許税を計算する問題も思いのほか時間かかったりしますね。たとえば平成28年第27問は、共有の土地を単有にする共有持分移転登記、名変、共有根抵当権の分割譲渡と共有者の権利の放棄という3つの論点が詰め込まれていて、それぞれ税額を計算しなければならず、最初にこの問題にぶち当たったときは解くのに10分以上かかった覚えがあります。これは結構な難問…と思ったらスタディングでの正答率は62%とのことで、是非とも取るべき!という難易度ですね。自分の実力不足だな^^;
まあしかし、たとえば不動産登記法16問のうち8問、商業登記法8問のうち4問だけでも1分で解ければ、相当に余裕ができますよね。これで12分として、マイナー科目11問で11分、合計23分。午後の多肢択一全体で70分を割り当てるとしたら、残りの不動産登記法8問、商業登記法4問を47分で解けばいいことになります。それでも1問あたり4分は取れないのか…厳しいですねぇ。でもともかく、このくらいの時間を目標にトレーニングを続けたいと思います^^
ところで、スタディングの過去問は令和2年までの問題が組み込まれているのですが、それとは別に前回の令和3年の問題がそれ以前の過去問と同じ仕組みで反復練習できるようになっています。自分は前回の問題はどうにもトラウマのように感じられて、全然復習する気になれませんでした。民法の問題なのに第三者異議の訴えとか出てくるの?なぜ?みたいな笑 でもこれじゃイカン!と思って、試しに民法20問を解いてみたところ、あれ…普通に解ける…? 1問1問、選択肢を全部きちんと読んでゆっくり解いて、30分ちょっとで全問正解できました。問題の難易度としては、伊藤塾やLECの方が難しく感じます。というか令和3年の午前は易しめと言われていて、確かにその通りかもと思いました。
ここで、前回の試験を受けたときよりも実力が伸びてるな!と単純に喜ぶわけにもいかないのです笑 自分としては本番の会場でも普段通りのつもりだったのですが、そうではなくやっぱり緊張してたんだなぁと思います。自宅で問題を解くと正解できるのは、実力が伸びたというよりは単に緊張していないからでしょう。上に書いた第三者異議の訴えの話も、選択肢全部を冷静に読めば明らかに選択すべき肢が分かるようになっているので、ショックを受けるところではないのですよね。う~ん、本番中は自分でも分からないうちに平常心を失っていたのだなぁ…。というか、トラウマのように感じていつまでも自己採点できなかったり、最近まで復習もできなかったりするなんて、心理的に強い影響を受けたことは明白ですね。やっぱり本番は大変だな~^^;
そんなわけで解答のスピードアップと同時に、メンタル面もいい状態に持っていきたいところですよね。いや、むしろメンタルが良くなくても(極度の緊張、不安、寝不足など)、反射的に解答できてしまうってくらい鍛え上げるべきなのでしょうか? そこまでやるのはもう時間が足りないかも笑